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透明フェロモン(14)

カノンさんが研修に出かける日の朝、ミチヒロさんと私は、ウッドデッキに立って、カノンさんが家の前の坂道を駅の方に向かって歩いていくのを手を振って見送った。
「お継母さん、気をつけてねー。」
と大声でカノンさんに呼びかけると、振り向いて手を振った。カノンさんの長くて黒い髪が海から吹いてくる風になびいていた。
 
 その日の午後は、ぎんぎんに冷えた缶ビールを持って散歩に出かけた。ミチヒロさんは、今日はいいよね、二人の秘密ね、と言うと、冷蔵庫から缶ビールを数本と、イカとか、するめだとかの100円のつまみをスーパーのレジ袋に入れ、では参りましょう、といった。
 私たちは、缶ビールがぬるくならないように、いつもの歩調より早い足取りで坂道を下り、駆け足で階段の小道を抜けた。
 海の見えるあずま屋で、私たちは木製のベンチに腰を下ろし、袋から家を出る前に詰めた缶ビールとつまみ類を取り出すと、少し汚れた木製のテーブルに広げた。
 ミチヒロさんがプルタブを開ける。途中、走ったせいで、泡が飛び散った。

海を眺めながら飲むビールはおいしかった。私は、穏やかな表情で海を眺めるミチヒロさんの横顔を見ていた。
私は
「ミチヒロさんのこと好き。」
と言った。
ミチヒロさんは何も答えなかった。

 家に帰ると、いつもは出迎えてくれるカノンさんは、もちろんいなかった。
「さてと。」
と言ってミチヒロさんは仕事部屋に引き上げていった。
私も自分の部屋に戻った。

透明フェロモン(15)
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2006/04/23(日) 23:03:47|
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Neutron(ニュートロン)といいます。

お立ち寄りいただきありがとうございます。
小説を書くことで
自分の考えていることや考え方が
皆さんに届いて、共感していただいたり、
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と思っています。
まずは、とりあえず書いてみよう!と思い始めたブログです。
まだまだ未熟ですが・・・。



少しずつですが書き溜めてます。
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お題に沿って、65文字以内で場面を描写する練習をしています。悪戦苦闘中です。
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