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透明フェロモン(13)

 クーラーの効いた部屋で、私とミチヒロさんがカキ氷を食べるところをカノンさんは頬杖をついて見ていた。がっつく私をみて、

「いくら私とユウちゃんが似てるといっても、食べ方はぜんぜん似てないわね。」

とカノンさんが苦笑した。

 私の食べるかき氷は、スプーンからこぼれ落ち、机に着地する。溶けてエメラルドグリーンの水滴に変わった。

「でも、おいしそうね。」

とカノンさんは付け加えた。細めた目じりに皺が出来た。

「お継母さんはたべないの?」

と私がカノンさんに聞くと、

「食べたら余計に寒くなっちゃう。」

と肩をすぼめて答えた。
 カノンさんは、私たちの散歩にはついてこない。
太陽に肌を焼かれるのが嫌なの、と言っていた。透き通るように白い肌。私はカキ氷を食べながら、ミチヒロさんとカノンさんを交互に見た。どちらかと言えば色黒のミチヒロさんと、白くて溶けてしまいそうなカノンさんの肌が重なりあうと、どんな色になるのだろう、とカキ氷には似合わない想像をしていた。

「そういえば、研修っていつからだったっけ。」

とミチヒロさんが頬杖をついたカノンさんに聞いた。

「あさって。」

「研修?」

「ユウちゃんには言ってなかったわね。今度、美容関係の研修があるの。3日間。留守にするけど・・・、大丈夫よね。」

とカノンさんは言うとミチヒロさんを見つめた。私は、大丈夫よね、というカノンさんの言葉の意味を考えていた。

「大丈夫だよ、ユウちゃんもいるし。安心していっておいで。」

とミチヒロさんは私を見て答えた。

「ユウちゃん、留守中、ミチヒロのことよろしくね。」

「うん。大丈夫。任せといて。私だって料理ぐらいはできます。研修中、教室はお休み?」

「お休みね。生徒さんには連絡してあるから。」

「了解。」

 私とミチヒロさんはまたカキ氷をしゃりしゃりと食べ、カノンさんはまた黙って、私たちが食べるのを見て微笑んでいた。

 私のことを信頼してくれたカノンさんのことを、後に裏切ってしまったのは、確かに私の過ちなのだ。
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2006/04/22(土) 09:20:31|
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お立ち寄りいただきありがとうございます。
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