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隣の席の人(4)

 宿に着くと、宿の人が「ようこそいらっしゃいました。」と部屋に案内してくれた。
 部屋は別々だ。キクタさんの部屋は、私の部屋の隣だった。

「一緒がよかった?」

と冗談交じりに、キクタさんが聞いた。

「え?冗談やめてくださいよ。」

と私が言う。

「そりゃ、そうだよね。セクハラになっちゃうね、部長には内緒にしておいてよ。」

ふふふ、と笑い合って、別々の部屋で休んだ。
 
 部屋に入って、一人になって、ため息をついた。何を期待していたんだ私は、と思った。
キクタさんが温泉に誘ってくれて、二人で温泉に来た。
ただそれだけだ。
キクタさんは、温泉に来たかったのだ。
ただ、一人で来るのも、なんだから、飲み友達で、変な気も起こさないであろう、この私を誘っただけだ、きっとそうだ。
 だから、部屋だって別だ。いや、でも、部屋が別なのは当然と言えば当然だ。私たちは付き合ってるわけではない、ただの飲み友達で、ただの職場の同僚だ。それに、いきなり同室というのも、おかしいと言えばおかしいか・・・。
 
 ぐるぐると考えていた。そして、壁の向こうには、キクタさんがいるのだ、と考えるとぞくぞくした。どんな格好で、何をしているのだろう。こうしている間も、キクタさんの八重歯はひっそりと、キクタさんの歯茎に当たり前のように納まっているのだろうな、と想った。キクタさんと接吻したら、八重歯は私の唇のどの辺りに触れるのだろう、唇で八重歯に触れたらどんな感触なのだろうか。想像しようとしてもなかなか想像できない感覚だった。

隣の席の人(5)
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2006/04/19(水) 23:41:38|
  2. 短編
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  4. | コメント:0
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Neutron(ニュートロン)といいます。

お立ち寄りいただきありがとうございます。
小説を書くことで
自分の考えていることや考え方が
皆さんに届いて、共感していただいたり、
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と思っています。
まずは、とりあえず書いてみよう!と思い始めたブログです。
まだまだ未熟ですが・・・。



少しずつですが書き溜めてます。
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